「行政書士資格試験「勉強方法」のコツ・ポイント 13」のまとめです。
なかなか頭に入らないのは、おそらく正解肢を1個づつ暗記するという作業になってしまっているせいだと思います。
無味乾燥な個別の事実の暗記では人間の頭脳には限界がありますし、応用も効きません。
まずは詳しいテキストを読み、「なぜ」そういう条文になっているのかを考えて下さい。
法的思考の理解という作業です。
どの法律も何らかの形で国民の権利利益を保護しようとしています。
ですので、その法律がどうやってその目的を実現しようとしているか、そこを理解して下さい。
似た法律、似た条文を比較しておくというのも有効な作業です。
行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法には似た条文が多いですが、なぜ似ているのか。
なぜ似ているのかが理解できたら、今後は逆に違うところはなぜ違うのか。
民法も同様です。錯誤無効と詐欺取り消しは似ていますが違います。
どこが一緒でどこが違うのか。
その理由は何か。
委任と事務管理も似ています。同じく、類似点・相違点の把握とその理由の理解。
まずは森を見て、どんな形なのか理解して下さい。
次に木を見て、次に枝を見て、次に葉を見て…という作業です。一本一本木を見ていく作業だけでは、森について聞かれても何も答えられません。
勉強方法は人それぞれでしょうが、
テキスト精読→問題演習が王道であるかと、
そしてテキスト精読も問題演習も全ては条文理解のための手段です。
まずテキスト精読により条文の抽象的全体的理解。その後問題演習を通じて具体的場面においての条文の適用のされかた、つまり条文の具体的各論的理解をするという事です。
まず条文を読んでみる。
その条文に対応したテキストの解説を読み、なんとなく条文の全体像をつかむ。
その後その条文に対応した問題を解くことで、具体的にこういう事例で適用されるんだ、とその条文が理解できる、という感じかと。
これを逆にやってしまう、つまり具体例を集める事で全体像を理解しようとしても、
輪郭のないところにドットを埋め込んでいくようなもので、
カタチにするのはタイヘンです。
まず(なんとなくであれ)抽象的理解があった方が具体例もアタマに入りやすいと思います。
テキストによる内容把握、関連性の理解をした上で過去問に着手。
一通りの出題範囲をカバーしたら予想問題集などです。
他の試験と異なる特徴として、過去問からの出題比率が異常に低く、たとえ過去問を完璧に仕上げても、それだけの知識では出題分の4割程度しか得点できない仕組みになっています。