簿記資格試験「勉強方法」のコツ・ポイント 2

「簿記資格試験「勉強方法」のコツ・ポイント 2」のまとめです。

学習を進める順番に関しては人それぞれだと思いますが、3級からの流れを考えると商業簿記のほうが入っていきやすいと思います。

ちなみに私の場合、論点学習に関しては最初から商業簿記と工業簿記を完全に並行するような形はとらず、先に商業簿記を一通り学習した後に工業簿記の学習に移り、工業簿記の学習中も商業簿記の復習は随時入れていくような形で進めていました。
それで論点学習が終わった段階で過去問題集や予想問題集に移り、引き続き復習を随時入れていくような形をとりました。
いずれにしても基本の徹底、復習がポイントの1つであることは間違いないと思います。

うけとる難易度は個人の感覚によって変わってくる部分もありますが、個人的には商業簿記のほうが若干高いと思います。
特に第2問では新しい傾向の問題が出題されたりするケースがありますので思いの外苦戦するケースがあるかもしれません。
そういった意味でも工業簿記でしっかり得点できるようにしておくことがポイントになってくるでしょう。

 

 

商業と工業、可能であれば、同時並行!

無理なら商業簿記から!

難易度 商業簿記>工業簿記
理由は、工業簿記は2級からなので、そんなに難しくはありません!
商業簿記は3級からなので、さらに難しくなります。

勉強方法は
テキストやって、問題集やっての繰り返しです。

 

 

ラストスパートと言う意味なら
月並みですが過去問やってまちがった箇所の
テキストの再復習
再度同じ問題をやり穴をなくす。

 

 

工業簿記ですが、仕掛品と製造間接費の違いをまず理解しましょう。
第4問・第5問では必ずと言っていいほど、仕掛品・製造間接費は必ず聞かれます。
ここを理解していないと、「これ何の事を言ってるんだ?」となってしまいます。

■仕掛品
簡単にいえば、未完成品のことです。
つまり、物が完成していません。
物というのは、完成したら製品として扱うことができますよね?
だから、製品となれば仕掛品はなくなるというわけです。

142回の第4問でも、仕掛品から製品に振り替えるという仕訳が問われていましたが、まさにそのことです。

※ただ、製品に振り替えただけでまだ販売や受け渡し等を行っているわけではありません。
なので、販売や受け渡し等が行われれば、売上原価に計上できるというわけです。
製品→売上原価ですね。

 仕掛品→直接ととらえてもらって大丈夫です。
材料・買入部品・直接賃金・外注加工賃・特許権使用料・設備費などが該当しますね。

■製造間接費
個々の製品別の発生額を直接的に認識できないか,あるいは直接的に認識し集計する必要のない製造原価のことです。

仕掛品と違い、直接認識ができないわけです。
つまり、間接的に扱うというわけです。

 給料・工場消耗品・ガス代・水道代などなど..。製造間接費に該当するものは色々ありますが、ここは省略させてもらいます。

①仕掛品から製品勘定の勘定記入や、月初や月末についてのお話をします。

まず、仕掛品の前月繰越があったとしましょう。
ここでいう、月初に該当しますね。

月初が来れば当月(購入)が来ます。
直接材料費・労務費・製造間接費等が該当します。

そして、完成の部分の金額がわからなかった場合は、月末の金額で差引して求めましょう。月末は製品の前月繰越となるので注意しておきましょう。

これで、仕掛品の勘定記入が終了しました。

②製品の勘定記入に移ります。
製品の前月繰越ですが、仕掛品の月末から計上するというのは先程書きましたね。

次に、当月製品製造原価の部分ですが、それは仕掛品の完成品原価です。

そして、月末の製品金額がわかれば、差引で売上原価の部分がわかるというわけです。
先程説明しましたが、売上原価までいければ受け渡し等が完了したというわけです。

これは、費目別計算・個別原価計算などで必要な内容なので、もし理解し切れてなかった場合は理解しておいてください。

勘定連絡図・部門別計算・本社工場関係については省略します。
今回は、総合原価計算・標準原価計算を中心に解説していきます。

■総合原価計算
総合原価計算は大きく4つに分類されます。
①単純総合原価計算
②組別総合原価計算
③工程別総合原価計算
④等級別総合原価計算

この4つですね。

①単純総合原価計算
言葉の通り、単純な総合原価計算です。
これがベースとなりますので、これが理解できれば組別・工程別・等級別は内容が少し増える程度なので、そこまで難しくありません。
総合が試験で出題されたら、満点をぜひとも狙ってほしいです。

 先入先出法・平均法の違いを必ず理解してください。
これが理解できれば、半分は解けるようになります。
仕損・減損やその他もろもろありますが、試験では先入先出法か平均法は必ず聞かれています。つまり、これが理解できればかなり楽になります。

■先入先出法の計算方法
①当月の金額×月末個数÷当月の個数=月末の金額
②当月の金額÷当月の個数×月末個数=月末の金額

どちらでも出せます。同じです。

■平均法の計算方法
(月初の金額+当月の金額)÷(完成品の個数+月末の個数)=単価

こんな感じですね。これは、仕損・減損がない場合です。
ある時は少し処理が異なってきますが、基本形はこれなので理解しておいてください。

■仕損・減損について
①仕損
仕損とは、加工作業に失敗して、検査したところ不合格になることです。

②減損
加工中に材料が蒸発や何らかの理由で消失してしまうことです。

■完成品負担・両者負担について
①完成品負担
これは、完成品に全部負担させてあげるよってことです。

②両者負担
これは、完成品・月末仕掛品の両者に負担してあげるよってことなので、実際はボックス図を書いたりしますが、この部分は×にして計算はしません。

■度外視法について
言葉の通り、無視しましょう。ってことです。
失敗した分だけを無視するということです。
※重要ですが、ここでは省略します。

②組別総合原価計算
組別とは、製品の種類のことです。
ということは、A品とB品などが発生します。
単純と違い、組間接費などを基準として、金額を求めたりします。

ただ、先入先出法・平均法などの基本的事項は単純と変わりませんので、組間接費などを基準とするみたいな考え方が重要となります。

③工程別総合原価計算
工程別とは、第1・第2工程別にということです。
これもそんなに違いはありませんが、前工程費というのがポイントとなります。
大抵の場合、第2工程の当月の前工程費は不明が一般的です。

じゃあ、どうやって求めんの?
→第1完成品原価が第2の前工程費となるわけです。
実際に問題を解いてみるとわかるかと思います。

また、評価額を出したりすることもありますので、合わせて注意しておいてください。

④等級別総合原価計算
金額を算出するまでは、単純と同じです。
何が違うのかというと、等級別に総合原価や単価を算出することです。

A・B・Cにわけて、ということです。
完成品原価が1,000,000とすれば、A:400,000・B:350,000・C:250,000という風に分けます。
組別と雰囲気が似ていますが、処理方法は異なりますので注意してください。

■標準原価計算
僕も正直、説明するのは苦手なんですが、シングル・プランとパーシャルプランがあります。

■シングル・プランについて
標準原価を用います。

■パーシャル・プランについて
実際原価を用います。

ごめんなさい。説明するのが苦手なんですが、基本的に僕はこう覚えています。
テキスト・問題集等で深くかかれていますので、そちらで確認してください。

 差異分析を行う際は、ボックス図やシュラッター図を用いたりしますので、そちらも並行して理解してください。

標準原価計算で差異分析が出れば、シュラッター図などが書ければすぐに解けます。
142回のように、能率差異は変動費のみは初見でしたが、落ち着いて考えれば解ける問題かと思うので、しっかりと理解してください。