弁理士資格試験「勉強方法」のコツ・ポイント 5

「弁理士資格試験「勉強方法」のコツ・ポイント 5」のまとめです。

4弁理士です。

特別な対策は、不要です。

今の弁理士試験はそこまでの知識は求めてません。
民法や民事訴訟法の知識は確かに問われますが、普通に試験勉強をしていたら、十分出題される範囲の知識は得られます。
知識を得るにしても、知財訴訟に関する専門書などあくまで知財を軸に勉強して知識を補強するべきです。
付記試験ですら、かなり基本的なレベルしか聞いてません。

はっきり言って、知財法より分量も多く、論点も多く、大変高度です。
論文が終わってやる気が出ない時期にやるならともかく、年明けの試験が近い時期にそのような勉強することはやめましょう。

といいますか、民法のテキストや本番の試験問題を見ていれば、不要(短答で細かい出願があるにせよ、少なくとも全体を見渡す勉強は合格には必要ない)なことにすぐ気づくと思うのですが、勉強方法大丈夫ですか?本試験の問題を無視した勉強は危険ですよ。

※そこまで強い意志があるなら、回答します。試験の法律は、民事・刑事・行政・条約分野に絡むので、上の法律は知っておいた方がいいです。民事と行政分野は特に重要です。また、特許庁の小委員会で制度改革で論文試験で条約を重視する方向が決定しましたので、条約分野もより重要になります。

憲法(全ての法律を理解するうえでの大前提。判例でも多々活用される。)
国際法(条約の役割を理解する上で必須。試験科目の勉強では得られない条約の考え方がわかり、大変重要な科目です。)
民法(家族法以外。試験でも問われるのはご存知でしょう。試験でよく使います。)、
民事訴訟法(特許訴訟に関連する法律なので必須の知識。特に民事訴訟は特許法でも多数準用されている。必要的共同訴訟などは試験にも出てきており、難しい部分の理解に大変役立ちます。論文・択一両方で出てきます。ちなみに、一部はかなり細かく聞かれるので、入門用テキストだけでは足りない可能性があります。論文試験でも出た固有必要的共同訴訟や類似必要的共同訴訟は普通に司法試験受験生も理解に苦しむところで、じっくりやる必要があります。)、
民事執行法・民事保全法(特許訴訟で必要となってくる手続が記載されてます。仮処分などの考え方は特許法のテキストにも良く出てきます。知っていると、より説得力がある論文が書けます。付記試験でも出てきます。)
行政法(審決取消訴訟を理解する上で行政手続法、行政訴訟法、行政不服審査法は必要で弁理士試験のテキストにも出てきますし、特許法条文でも引用されます。論文で遣いますし、択一でもでます。)、
独占禁止法(特許法と相反する分野ゆえに特許権の取消の規定もあり、試験にも直接問われることがある法律です。著作権法でもでてきます。)

上の法律は、国際法以外は、一番の関門である論文試験答案の際に直接使うことがあるため、特に重要です。普通に勉強していても、法律名はあえてだしてないかもしれませんが、解説の背景に上の法律の考え方は多々でてきます。国際法は直接は問われませんが、条約の法律上の意義を理解する上で大変有用なので挙げてます。論文はどこまで書けばいいか決まってないので、一般法を省略した答案もかけますが、しっかりと一般法に基づいて記載できるなら評価は高いでしょう。

更に余力があるなら、
商法(商号の考え方を知ることは、商標との兼ね合いで有用。また、企業合併などのニーズで特許法改正も行われているので会社法の知識も大変有用です。)
刑法(特許法は刑事罰があるので、原則である刑法を知っておくことは有用です。)
国際私法(判例100選にもある準拠法に関する最高裁判例を理解するのに有用。判例の考え方の原則である国際私法を知っておくことは判例理解に大変有用です。最高裁判例は論文でよくでますので、準拠法の判例が出た際にはより説得力がある答案が書けるでしょう)
刑事訴訟法(不正競争防止法や著作権法で刑事訴訟法を準用してますので、知っていた方がいいでしょう。特に不正競争防止法で多々引用してます。)
行政機関情報公開法・独立行政法人等情報公開法・公文書管理法(著作権法で多数使われてます。理解していないと、関連する著作権法の条文は理解が難しいでしょう)
不正アクセス行為の禁止等に関する法律 (不正競争防止法ででてきます)
種苗法 (商標の拒絶理由のひとつででてくる。知財法の1つなので、知財を語るときに使うことがある。知っておいて損はない)
薬事法(特許権存続期間の延長に関する部分で理解が必要。著作権法でも些細だが使われている。)

知らなくても合格できますが、一般法を知っていれば、他の受験生より説得力がある答案を論文試験で書けるのは確かです。他の項目で失点した際の挽回ができます。

 

4弁理士試験を目指すなら、民法の勉強は速攻止めるべきです。

弁理士試験で問われる法律は、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法、著作権法、パリ条約、特許協力条約(PCT)等だからです。

 

4細切れの時間をどう使うか、兼業受験生には重要だと思います。
5分あれば、条文1つ&主旨1つは読めます。15分あれば論文レジュメ1つ回せます。もう15分あればさらに関連条文を1つ回せます。

この積み重ねですね。

あと、予備校は必須に近いです。短答の新作問題は、馴れないと試験時間を失います。予備校の答連や模試で鍛えられます。

論文はさらに予備校の重要度が高いです。自分の書いた論文を、チェックして頂かなくては、何が自分に足らないのか、対策できません。

論文試験は、論点を全て知っている受験生が大量に不合格となる試験です。
時間内に、全ての論点を整理して

・題意に沿った論点で理由付けまで書く
・確認レベルで記載する
・省略可能な論点

に分類し、思考過程に沿った順に書く、これができて合格です。
予備校の答練を通じて鍛えられるので、たくさん書いてたくさん添削を受けるのが秘訣です。

合格へのアドバイスですが、弁理士試験は頭の回転が早くないと受かりません。
ただし中身自体は法律ですので、その一つ一つは難しくありません。

要するに、暗記と訓練でだれでも合格する試験です。
事実、試験統計を見ても、出身大学最多は東大、最終学歴最多は大学院にも関わらす、学卒未満の合格者もいます。