司法書士資格試験「勉強方法」のコツ・ポイント 12

「司法書士資格試験「勉強方法」のコツ・ポイント 12」のまとめです。

4民法をやさしく説明したテキストを選ぶ必要があります。
民法の基礎ができれば,他の試験科目の殆どは自ずと理解ができるようになります。
予備校での講座受講を勧められる方が回答者の中には多いと思います。
が,予備校の講師によっては講義があまりうまくなかったり,或いはあなたのスタイルに合わなかったりしますので,「投資額」がそれなりになることを考えると慎重に選ぶ必要があります。

では独学すべきでしょうか。
テキストを出版している講師が優れた講義をするとは限りませんし,テキストの中にも「これまで出題されていない」点に拘っていて,的外れとまでは言いませんが,基礎固めには不向きなつくりのものもあります。
テキストとしては学者が書いたものは受験には不向きですし,司法書士試験では不動産登記法で非常に大きなウェイトを占める根抵当権について実務的に解説した本は寡聞にして知りません。
そうなると「予備校本」で受験向きの情報を仕入れつつ,どうしてもわかりにくかったり,正確な定義等を知りたいときに「学者本」を辞書として使うことになるのですが,①「予備校本」には堂々と誤りが書いてあったりしますし,②「学者本」をいきなり読むのはつらいので,独学もまた非常に難しいのが実際です。

まず読みやすく書かれた「予備校本」を手にとり,読み始めて下さい。
自分の感覚と合うようであれば,そのまま読みつつ,例題演習を挟んでいくとよいと思います。そ
ういう点でお薦めできるのは「オートマチック」というシリーズです。
過去問ベースで説明され,表現の良し悪しに色々議論はあるにせよ,素人向きに書いてあって,過去問が途中で練習用に挿入されていますので試験のレヴェルを体感しながら学べるでしょう。

その際に大切なのは条文を必ずよく読むことです。当然ながら六法(三省堂の「模範六法」か有斐閣の「判例六法」を使うべきです)を傍らに置いて,参照しつつ,その条文がなぜ存在するのか,なぜこの位置に置かれるのかなどを考えると面白くなりますし,理解も進むと思います。
後日,条文を知っているだけでスイスイ過去問が解けることもわかるはずです。

一度,六法とオートマチック等のテキスト1冊を手に入れ,勉強してみてください。
それで面白さを感じれば,おそらく受験勉強を続けても大丈夫でしょう。
その上で予備校に通うかどうかを決めてはいかがでしょうか。
なお,読むだけでは眠くなりそうでしたら,ノートを1冊用意して,テキストでわかりにくかった箇所を書きだして,自分なりの理解を自分の言葉で書いたり,自分ならこう記述するけどな,みたいな感覚でテキストの表現を書き直したりする作業を入れると退屈しないと思います。

司法試験は学識を問われますが,司法書士試験は知識を問われる試験だと思います。
一度頭に入れた知識から縦横のつながりで知識を増やすことがあるときから加速度的にできるようになるはずです。

 

4過去問3年分は出題された条文と判例、あと先例も全部覚えて完璧に暗記してください。
問題文自体も完璧に暗記すべきです。
でも、むしろ大事なのは、登記六法に掲載されている判例と先例集の方でして、これを全部覚えておかないとダメです。
司法書士試験の択一の合格点は80%で、知識問題を1問も落とさない気持ちで勉強しないと合格できないないです。、
穴があったら、即不合格と思って頂いていいと思います。
どこから出題されてくるかわからないので、全部覚えていないと落ちます。
知識問題は100%正解が大原則です。ここで失点する人は受験する意味はありません。
その上で、論理問題が解けるかどうかで合否が決定します。
ですから、勉強は、論理問題の方に重点をおくべきです。