司法試験「勉強方法」のコツ・ポイント 1

「司法試験「勉強方法」のコツ・ポイント 1」のまとめです。

4①司法試験の勉強量について
おおむね1万時間と言われていますが、人によるとしか言えません。
私は、おおむね1日6時間程度の勉強を3年ぐらいやっていました。

②本の分厚さについて
選ぶ本によります。司法試験は8科目ありますが、覚えることの多い民法についてみると、標準的な教科書である内田民法は1冊500ページ程度の4冊で全範囲網羅です。それプラス判例勉強をあわせると、約2500ページぐらいの情報量を覚えることになります。
まあ覚える量の少ない教科だと300ページぐらいの基本書1冊と判例集で十分です。

③丸暗記か否か
丸暗記というか、一言一句覚えるというものではなく、書いてある内容をおおまかに自分の言葉で説明できる程度の暗記は必要です。

④短答式(択一)の難易度について
短答式試験に合格しなければ、論文試験の採点はしてもらえません。
短答式試験は、論文試験の採点者に限りがあることの関係で約4000人程度合格します(例年通りであれば。点数に直すと6割から6割弱程度)。
今年は、受験者は8000人程度でしたから約半分が不合格になったということです。
決して簡単なものではありません。

⑤論文試験
短答式試験合格者から、上位2000人程度(今年は約1800人、今後減少するとの予想が多い)が合格します。
5割程度取れれば合格できるといわれてますが、いうほど簡単ではありません。
なお、現行の司法試験では口述試験はありません。

⑥予備試験について
私は予備試験受験経験がないので何とも言えませんが、東大法学部生が350人受けて300人落ちる程度の難易度です。
予備試験合格者の司法試験合格率が6割超であることからも、相当に難易度の高い私見だと思います。

2014

 

4司法試験に限らず、およそ法律の勉強というものは総論から
スタートするのが普通でしょうね。これは法律の体系がそうなって
いるから・・・というのが大きいと思います。

たとえば民法。民法の場合、総論と言わず「総則」と呼びますが、の総則部分は物権、債権いずれを学ぶにしても必要になってくる知識です。
民法は、さまざまな法律行為に共通する要素を法典の前の部分に持ってきています。
そして各論の部分も、さらに総則的な部分から、さらに各論的な部分へと階層的に記述されています。イメージとしては
数学で習う因数分解。共通因子を前へ、前へ持ってきて・・・という感じになっているのです。
このような構造をパンデクテン方式と呼びます。

このような条文構造のメリットとしては、膨大な事項を簡潔に表現できる(・・・といっても、民法はまだまだ膨大な条文数なんですが)、体系的に並べられているので条文の検索がしやすい・・・といったことが挙げられると思います。

法律の学習は、このような体系的な理解を意識した方が効率的なので、各種資格試験の勉強では、総論から学ぶのではないでしょうか?

総論から学ぶと、抽象的すぎてイメージが湧きにくいという難はあります。
特に刑法の場合、各論からスタートした方が、理解しやすい気がしますね。
クソ真面目に総論から学び始めて、結果無価値がどうの、構成要件がどうの・・・なんて議論をするよりも、殺人や窃盗など小学生でも知っている犯罪をより詳しく学んだ方が印象に残りやすいですし、学習のモチベーションも湧く気がします。

2014

 

4司法試験を受験する人のほとんどが、
基本書と予備校本を組み合わせています。
(どちらも使っています)
(それに加えて、入門レベルの本も最初に読みます)

予備校本のみの人
あるいは基本書のみの人というのは少数派でした。

ですが、どちらも同程度の合格者と不合格者がいました。
自分の能力と勉強スタイルに合っているかどうか、
によるんだと思います。

予備校の講座をたくさん取るのであれば、
予備校本を軸にして、基本書はあってもなくてもよいのでしょう。
合格には効率的ですが、合格後の伸びしろは少ないです。

自分でしっかりと勉強するというのであれば、
基本書を軸にして、予備校本をノートのように使います。
合格までにどの程度時間がかかるかは、本人の能力次第ですが、
合格後の伸びしろは大きいようです。
(受験で聞かれないような事柄についても、学んでいるので)

以上が、個人的な印象です。

予備校本は、試験問題を解けるようになることを目的としています。
ですので、内容が全体として論理的に一貫しているのかどうか、
ということについては、あまり興味関心を持っていません。

これに対して基本書は、
研究者が自分の研究として確立した法体系を書き記しています。
ですので、書き手の価値観・立場から論理的に一貫して書かれています。
受験に有利(判例と同じ見解か、試験に出る論点か)かどうか、
ということについては、あまり興味関心を持っていません。

その違いを踏まえて、両方を上手に利用している人が多いようです。

2013